将来、入院するときに頼れる人がいなかったらどうしよう。ひとりで暮らし続けられなくなったら、どこに相談すればいいのだろう。老後を考えると、心配が次々に浮かんでくることはありませんか。
こんにちは、ライトです。2026年10月3日、大阪・梅田で、「おひとりさま」のオフ会を開きました。11人で集まり、約2時間、それぞれが感じている不安や、これからの暮らしについて話しました。
その中で印象に残ったのが、「何もかも不安」という言葉です。話していくと、入院のこと、頼れる相手のこと、住まいのことと、不安の中身が少しずつ見えてきました。今回は、その場で私が気づいたことをお伝えします。
家族がいても ひとりの不安を感じることはある
私はそれまで、おひとりさまというと、頼れる親族がほとんどいない方を思い浮かべていました。ところが、自己紹介を聞いていると、お子さんがいても、自分の老後を頼むことは難しそうだと考え、おひとりさまとして参加された方もいらっしゃいました。
家族がいるかどうかだけでは、分からないことがあるんですね。今は誰かと暮らしていても、いずれひとりになることを考えている方もいる。ひとりで暮らしている方の中でも、心配していることは同じではありません。
「こういう条件に当てはまらなければ、おひとりさまとは言えない」と、厳しく線を引く必要はないのだと思いました。自分のこれからに不安がある。そのことを話せる場であればいい。今回、私自身が教えていただいたことです。
何もかも不安を 一つずつ言葉にしてみる
「何もかも不安」のままだと、どこから手をつければよいか分かりません。たとえば、こんなふうに分けてみるとどうでしょう。
- 入院したとき、誰に連絡してもらえばいいのか
- 自分で判断することが難しくなったときに、どんな備えができるのか
- ひとり暮らしを続けにくくなったら、どこで暮らすのか
不安の中身が具体的になると、調べることや相談する相手も見えやすくなります。将来のすべてを自分で決めることはできません。それでも、相談先を調べたり、自分の希望を書き出したりすることは、今からできます。
最初から、うまく話がまとまっていなくてもかまいません。人の話を聞きながら「私もそこが心配」「私は別のことが気になる」と考えるうちに、自分の不安がはっきりしてくる。オフ会のような場には、そういう良さがあると思います。
入院の書類で困ったら まず相談してみる
当日も多く出たのが、身元保証人の話でした。入院の書類を渡されても、頼める人が思い浮かばない。そこで不安になってしまう方もいらっしゃると思います。
ここは、知っておいてほしい点があります。厚生労働省は、入院での治療が必要な場合に、身元保証人等がいないことだけを理由に入院を拒むことは、医師法に抵触すると示しています。[1]
書けない欄があるからと、一人で抱え込まなくて大丈夫です。病院の相談窓口で「頼れる身寄りがいません。医療ソーシャルワーカーに相談できますか」と、事情を伝えてみましょう。[2]
また、「身元保証人」という言葉で求められることには、緊急連絡や費用の保証など、いくつかの役割があります。友人に連絡先をお願いすることと、お金の支払いを保証してもらうことは、引き受ける内容が違います。誰に何を頼みたいのか、書類の内容も含めて確認しておきたいですね。[1]
スマホの充電器を届けてくれる人はいるだろうか
大きな制度の話をしていると見えにくくなりますが、入院中に必要になるのは、身近な手助けでもあります。たとえば、家にあるスマホの充電器を持ってきてもらうこと。こうした用事を頼める相手がいるかどうかも、暮らしの安心に関わります。
オフ会でも、入院した経験のある方から、スマホや充電器を持っていけてよかった、という話が出ました。親族でも、友人でも、知人でも、困ったときに連絡を取り合える人がいる。そのつながりには、お金だけでは測れない価値があると私は思います。
私自身、普段からよくしてくださる方の引っ越しで、業者さんとの段取りや通信回線の手続きなどを手伝ったことがあります。面倒だとは感じず、「自分にできることなら、して差し上げたい」と思いました。日頃のお付き合いの積み重ねは、そういうときに表れるのだと思います。
もちろん、親切にすれば必ず何かが返ってくる、というものではありません。相手の行動までは決められないし、見返りのために何かをするのも違う気がします。自分にできる親切を、できる範囲で重ねていく。私が大切にしたいのは、そういう関わり方です。
人とのつながりと 専門家の支援を組み合わせる
友人同士でできることにも、それぞれ限りがあります。お互いに年齢を重ねれば、今できている手助けが難しくなることもあるでしょう。当日はシェアハウスの話も出ましたが、一緒に暮らす人たちが同じように年を取った後のことも、考えておきたい点でした。
民間の身元保証サービスなども選択肢の一つです。ただし、任せられることや料金は事業者によって違います。契約を急がず、サービスの範囲、費用、預けたお金の管理方法、解約や返金の条件まで、書面で確認しておきましょう。不安があれば、消費生活センターなどに相談できます。[3]
普段のつながりを大事にしながら、病院や自治体の相談窓口、必要に応じた専門家の支援も知っておく。どこに、何を相談できるかを、元気なうちに少しずつ確かめておくことが、自分の備えになると思います。
今できることを 一つから
お金も健康も、もちろん大切です。そして、人との信頼関係も、短い時間で急につくれるものではありません。だからこそ、今あるつながりや、自分ができる小さな関わりを大事にしたい。今回のオフ会を振り返って、改めてそう感じました。
もし「何もかも不安」と感じているなら、まずは気になることを一つ、書き出してみてください。話せる相手がいれば、言葉にしてみる。まだ思い浮かばなければ、相談できる窓口を一つ調べてみる。それも、今できる備えです。
将来のことを全部、今日決めなくてもかまいません。何が不安なのかを少しずつ確かめて、自分にできることから始めていきましょう。
もとになった放送
2026年10月4日 stand.fm おひとりさまオフ会を開催してみて感じたこと
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