「特別養護老人ホームに入れたいけど、どの施設を選べばいいのかわからない」——施設を初めて探す方から、よくこんな相談を受けます。設備の充実度、スタッフの雰囲気、費用…と考えるポイントは多いように見えますが、実は特養選びで最初に考えるべきことは、たった1つだけです。
特別養護老人ホームとはどんな施設?
まず基本を確認しておきましょう。特別養護老人ホーム(特養)は、主に以下のような特徴を持つ公的な介護施設です。
- 原則として要介護3以上の方が入居対象(要介護1・2でも特例で申し込み可能)
- 民間の有料老人ホームと比べて費用が比較的抑えられる
- 医療対応は限定的だが、看取りまで対応可能な施設が多い
- リハビリは日常生活の中での動作を中心に行う
「特養は待機者が多くて入れない」というイメージをお持ちの方もいますが、近年は施設数が増え、地域によっては以前より入居しやすくなってきています。入居を急いでいない方も、今のうちから知識として持っておくことをおすすめします。
結論:施設選びで最初に考えるべきことは「距離」だけ
特養を選ぶ際に最初に考えるべきポイント、それは「ご家族の自宅から近い施設を選ぶ」ことです。
「え、それだけ?」と思う方もいるかもしれません。しかし入居後の生活を思い描いてみると、その理由がよくわかります。
入居後も家族の出番は意外と多い
「施設に入ったら、あとはプロに任せれば大丈夫」と考えがちですが、実際には施設に入居した後も、ご家族が動く機会は思った以上にあります。
① 日用品・こだわりの食べ物などの持ち込み
施設には備え付けのものがありますが、「ご飯にはふりかけが欲しい」「このブランドのトイレットペーパーでないと嫌だ」といったご本人のこだわりには、家族が対応する必要があります。持ち込みが必要なものは、定期的に届けに行くことになります。
② 病院への付き添い
特養では医師の診察を施設内で受けることもありますが、大きな病院での受診や入院の際には、原則としてご家族の付き添いが必要です。「今日中に来てください」と突然呼び出されることもあります。治療方針の決定(手術をするかどうか、どこまでの処置を希望するか)は、ご家族にしか判断できません。施設が遠いと、いざという時に間に合わないリスクがあります。
③ 書類対応
予防接種の予診票、保険証の更新、行政からの各種書類など、年に何度も対応が必要な書類が届きます。期限が短いものも多く、スピーディーな対応のためにも、施設が近い方が圧倒的に動きやすいです。
④ 面会
電話やビデオ通話でのやり取りも増えてきましたが、ご本人の様子を自分の目で確かめることは、介護の質を守るためにも重要です。施設が近ければ、短時間でも気軽に立ち寄ることができます。
まとめ:特養選びの「第一条件」は立地
設備の新しさや豪華さよりも、まず「家族の自宅から通いやすい場所かどうか」を最優先に考えましょう。入居後も家族が施設と連携する場面は多く、距離が遠いほど時間・体力・交通費のコストがかかります。
近くの施設を優先した上で、スタッフの雰囲気や施設の方針、費用などを比較していくのが、賢い特養選びのステップです。
特別養護老人ホームをはじめ、介護施設選びでお悩みがあればお気軽にご相談ください。
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